筆記療法のデメリット

人を選ぶ療法ではないか

今や治療法の一種として、取り入れている所も多い筆記療法。ネガティブな感情や問題点を書き出すことで、問題の整理や自身に起きているネガティブなことを客観的に捉える療法です。もちろん実証研究が行われ、不安やうつ状態への効果が認められているのですが、万人向けの治療方法なのかと言われれば難しいです。

何故なら「書き出す」ということにおいて苦手な人は多いと思います。そんな人がうつ病の真っ只中に、苦手な書き出すという作業をしなくてはならない。ましてや、最低1日20分以上は書き続ける必要があります。ですので、書くのが得意な人が行う治療としては適切ですが、そうでない人にとっては更なる苦痛にも成りえます。よって筆記療法は万人向けではないのではないでしょうか。

効果が現れるまでに時間がかかる

うつ病の一般的な治療法として、投薬治療があります。処方してもらった薬が合う合わないはありますが、当人に合う薬であれば2~3日中に効果が実感できることが多いようです。そして筆記療法に関しては、薬ほどお金はかからないにしろ効果が現れるまでに時間が掛かります。研究によって表記は異なりますが、最低3日以上は続けて行う必要があります。最低5日以上と表記している研究もあるようです。気分が落ち込んでいる人が、3日以上20分も書き出さなくてはならないのです。 以上の条件を考えると、投薬治療が順調に進み、併用して行う治療としては良いと考えます。しかしうつ状態の患者の場合には合っていないのではないでしょうか。また、人によっては苦痛にもなりかねない治療法です。デメリットを考えるとむやみに筆記療法をするのではなく、相談や検討のうえで取り入れる必要があります。